バーチャルホタルイルミネーションシステム制作・設置

特許第4150207 平成20年7月4日 取得 生物情報を駆使した工学は、機能・エネルギーの効率化や人に優しい福祉・環境空間を創造するのに有効。ホタルの光等による1/fゆらぎ研究を基に展開した、バーチャルホタルイルミネーションシステムは本物のホタルも寄ってくる程にほとんど同等の光を放ち、癒しをもたらすことが明らかになっています。現在、各地の公共施設への設置。可動式のコンパクトなシステムは医療、福祉、宿泊施設等の人々に、より密着した快適空間の創造を実現します。

開発製品について

光の種類及び設置について

  • 光はLEDによりゲンジボタル、ヘイケボタルのオスとメス、実際のホタルの生態情報から作られている為、光も64種類あります。同時点滅ではなく、4匹単位で匹数とチャンネル数を増やすことにより、ランダムに複雑に点滅させることが可能です。実際の光を御覧ご覧ください。下の方の光がメスの点滅です。
  • 癒し効果を目的に開発されていますので、電球のイルミネーションよりは光が弱い為、実際のホタルを鑑賞されるように周りを暗くして御覧ください。
  • 設置については板橋区ホタル飼育施設の生態情報に基づき、実際のホタルの生息状態に近い状態に配置いたします。屋内、屋外共設置可能。
  • その他の展開 すべてバイオーダーの為、用途に合わせて製作可能です。
  • パソコン制御が基本ですが、マイコンボードでの制御も可能。

自然のせせらぎを模したジオラマにホタルの模型を配したシステム

  • ミュージアム等の大規模なスケール…写真は64匹のLEDを配置
  • 福祉・医療施設向け分解、移動可能なタイプ、移動式(キャスター付き)
  • 家庭等で楽しむよりコンパクトなものまで製作可能

LED発光のみのバーチャルホタルイルミネーションシステム

  • ゆったりと配した光の1/fゆらぎが幻想的な空間に誘います…写真は1024匹のLEDを配置
    ※その他様々な使い方が出来ると思いますので、ご質問、ご希望、また御覧になりたい場合はお問合せください。
現在設置されている公共施設 山口県 豊田ホタルの里ミュージアム
茨城県 日立シビックセンター 科学館8F
北九州市 ほたる館
富山県 八尾町ホタルの館
東京都 板橋区ホタル飼育施設

生体情報に基づいたバーチャルホタルイルミネーションシステム

光画像処理や統計処理などの工学的技法を駆使して、ホタルの光に見られるゆらぎ特性を計測・解析するとともに、感性工学的な研究を展開してきた。その結果、ホタルの発光パターンには、1/fゆらぎモードが存在し、それが人の感性と密接に関連してきることが明らかになってきた(1)。この研究は、将来のホスピスや福祉施設などにホタルとそのミニ生態系による癒し空間創造へ向けた初めての試みでもある。

バーチャルホタルイルミネーションシステムは、上記の社会的な背景を踏まえて福祉目的で開発したもので、ホタルの発光パターンをコンピューターに取り込み、その生物情報データベースに基づいてLEDを発光させるものである。すなわち、バーチャルホタルイルミネーションシステムに供すべき生物情報は、得られた光動画像に基づいた発光部の時系列な輝度変動である。解像度は8ビットであり、輝度値は256階調の相対的な値で得られる。使用したLEDは、φ3[mm]とφ5[mm]の黄緑色であり、表面を拡散面に加工してある。これは、ホタルの発光部を出来る限り忠実に再現するためであると同時に、発光の色相情報に合致させるためである。生態的な輝度の考察から、φ3のLEDはヘイケボタル、φ5のLEDはゲンジボタルに見立てている。しかしながら、ある一匹のホタルの時系列な輝度変動データは34秒ほどしかないため、長時間発光させ続けるにはデータを繰り返し使用せざるを得ない。このシステムでは、繰り返しによる違和感や慣れを防ぐため、一定の発光パターンの間に発光休止区間を入れ、それを1/fでゆらがしてある。

一方、本システムの工学的な検証は、まず、システムから得られた光情報を処理・解析して、天然のホタルの光情報と比較することで定量的に確認した。さらに、感性工学的な検証や脳波計測も併せて実施し、本システムが創り出す光が天然のそれと同程度の癒し効果を有していることを確認した2)。ここでは、天然のホタルや本システムが供する光にアルファ波が最も誘発されることも確認した。
写真は、水圏環境を忠実にかつコンパクトに再現したジオラマにバーチャルホタルイルミネーションシステムを組み込んだものである。ジオラマは、細菌や微生物の付着・培養などを避ける老人福祉施設や病院などへの導入を考慮して、全て樹脂などの無機物で構成している。なお、ジオラマやホタルの匹数は、個々のニーズに合わせて如何なる形態・寸法にも対応可能である。
21世紀は、環境・福祉・情報そしてバイオテクノロジーの時代と言われている。特に、生物情報を駆使した工学は、遺伝子工学に基づいた分野だけではなく、機能・エネルギーの高効率化や人に優しい福祉・環境空間を創造するのにも有効となるであろう。我々は、人やホタルなどの生物生態情報を解析することにより、新たに工学・生物学・医学などを融合させて、人々の生活に密着した快適空間の実現を目指している。

O plus E・2005年1月掲載記事より抜粋

参考文献
1)阿部宣男、稲垣照美、石川秀之、松井隆文、安久正紘、ホタルの光と人の感性について- 発光現象のゆらぎ特性 -、感性工学研究論文集、 3巻1号、 pp. 35-44 (2003)
2)阿部宣男、稲垣照美、木村尚美、松井隆文、安久正紘、ホタルの光と人の感性について- 感性情報計測と福祉応用 -、感性工学研究論文集、 3巻2号、 pp. 41-50 (2003